都市に生きる

翻訳・校閲宵夜MpaChatGPT

推薦者:四格魚刺

都市に生きる ジャケット

2025.01.26
29m 23s

タイトルが示すとおり、都会的な雰囲気は、このアルバムの最初の、そして最も強い印象かもしれない。音色の質感への細やかな制御は、ナースロボ_タイプT(以下「TT」)の声と独特の相性を生む。グリッチ音の配置と、的確な余白も加わり、強い都市と工業の幻覚を作り出す。零進法が作ったリズムの構成はとても「面白い」。多くの音が通常の拍に乗らず、ずれるように互いを漂う。そのずれは、都市生活の機械的な疎外の体験にぴたりと対応し、都会という基調をいっそう強めている。

このアルバムには「無機質」という印象もある。浮き離れた電子音と、合成音声による機械的な感覚が、アルバム全体の空気に、色を歪ませるフィルターを重ねる。本来は無機質なのではなく、そのフィルターがずらすことで、温度のあったものまで遠く、冷たくなる。都市生活とはそういうものかもしれない。そこから抜け出す方法には、グリッチがもたらす不確定性が必要なのだろう。制御を失った動き、ずれ、ノイズが、いつもの機械的な反復を破る。アルバムでグリッチ音が繰り返される文を断ち切る、歪んでいた機械的な生活に新たな色が現れる。

アルバムに精密な音を配置するだけではなく、ライブでの即興の探究も、零進法の別の側面を示す。合成音声と即興音楽をどう結びつけるかは、とても難しい課題だ。即興音楽が重んじる即時性と、合成音声に本来備わる事前制作の性質には、もともと矛盾があるかもしれない。それが両者の融合を難しくする。だが零進法 Band Set は、今年の Kaomozi Fes1 と、原口沙辅が主導する CDs プロジェクトで、かなりよい答えを示した。演奏動画を見てまず感じたのは、「一緒に遊びたい!」だった。これこそ即興音楽の魅力なのかもしれない。

アルバムに戻ると、「画像はイメージです」では、TTが「画像はイメージです」、「危険です」などの注意書きを繰り返す。原詞「ご注意ください」と言い終えると、TTは壊れ、また直されるが、声の調子は以前と変わっている。システムの再起動で人格がずれてしまったようだ。崩壊と修復を繰り返すのは、TTだけでなく、人間も同じかもしれない。「名義 納期」からは、締切を過ぎた後、「名義 納期」と書かれた表を見つめる ADHD(注意欠如・多動症)の人の、頭の中がかき回される様子が浮かぶ。あちこちへ飛ぶ歌詞と、変調し続けるノイズが、跳躍する焦燥の精神状態を巧みに描いている。

『都市に生きる』で、零進法は、数々のオルタナティブな要素を音楽に取り込みながら、聴きやすさも高く保っている。通常とは大きく違うのに、全体として筋の通った聴き心地だ。ここでは、都市、グリッチ、機械は、単なる概念ではなく、音そのものになっている。

注

1

レーベルKaomoziが主催する、ライブ音楽イベント。