
2025.04.30
18m 32s
タチマナユの初EP『White Point』はアンビエントの作品だ。その題名が示すように、白の純粋さのなかから、広大な空間の奥にいるような虚無感がにじむ。
「冷歩」は、題名からすでに冷たく透明な色合いを感じさせる。ただ、クラブミュージックの要素が加わることで、そこにかすかな光が差す。遠い世界の片隅で、一人、真っ白な雪の上を歩いているようだ。体も思考も、その雪のなかへ溶けていく。「線考」では、フォークトロニカの性格がよりはっきりと表れる。アコースティックギターの旋律を細かく切って組み直し、シンセサイザーの音の断片と交差させる。「ブレイク·ホワイトポイント」は、エレキギターによる厚い音の壁を導入する。ミクが慎重に歌う悲しい旋律は、そのか細い声ごと、いつ周囲の空気に飲み込まれてもおかしくない。